e-無線巡回は、熟練担当者がパトロール中に行っていた聴診(音を聞く)・触診(触って温度を確認する)をデジタル化するというコンセプトで作られています。
温度と振動加速度を傾向監視することで、設備に発生した異常を検知し、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
この2つの傾向監視ですべてのトラブルを回避できるわけではありませんが、多くのトラブルの予知保全・予兆保全に貢献します。
e-無線巡回は、温度と振動加速度の傾向監視に特化したシステムのため、約40万円からという低価格でのご提供を可能としています。
『「低価格」で「たくさんの」モーターを含む回転機を監視したい』という、予知・予兆保全の現場の声を形にしています。
e-無線巡回は、簡単に設備の見える化ができる予知・予兆保全システムです。パソコン、LANケーブル、親機、子機があれば、いつでも自社設備の状態監視を始めることができます。
パソコンを含めたデモ機もご用意しておりますので、ご希望の方はお問い合わせフォームからお申し込みください。
(お貸出しは通常2週間あたり税込11,000円を申し受けておりますが、本ホームページからのお申し込みは無償とさせていただきます。)
e-無線巡回は、子機に接続されたセンサで温度と振動加速度を測定し、920MHz帯の無線で親機に送信するシステムです。 親機に送信されたデータを確認するには、パソコンとLANケーブルが必要になります。
・初回セットには親機1台・子機1台のほか、トレンドグラフを表示できる基本ソフトも含まれています。
パソコンとLANケーブルさえご用意いただければ、すぐに設備の見える化を実現できます。
・トレンドグラフによって傾向監視が出来るので、異常を検知し、トラブルの予防が可能です。
・設定された警報値(しきい値)を超えると、画面と音でお知らせします。
・グリスアップやオーバーホール前後のグラフで、メンテナンス効果の確認もできます。
グラフ表示
警報画面
<導入事例1>日本製紙 白老事業所:紙の製造・販売
<導入事例2>A社:金属溶解リサイクル業
導入実績 | |
紙・パルプ | 日本製紙・新東海製紙・日本トーカンパッケージ |
印刷 | 大日本印刷・TOPPAN |
石灰 | 吉沢石灰工業 |
電力 | 東京電力エナジーパートナー・J-POWER |
フィルム | 東洋紡 |
食品 | キリンビール |
自動車 | トヨタ車体・豊田自動織機 |
金属 | 三井金属鉱業 |
日本製紙株式会社 北海道工場 白老事業所
藤山部長代理
ご存知の通り、紙パルプ産業は代表的な装置産業で、設備の安定稼働が製造効率や品質に直接関わってきます。 私たち設備部門の使命は、・・・
ご存知の通り、紙パルプ産業は代表的な装置産業で、設備の安定稼働が製造効率や品質に直接関わってきます。私たち設備部門の使命は、設備故障による生産ロス、品質ロスを限りなくゼロに近づけることにあります。そのためのメンテナンスを行う上で、機械の振動や温度の監視は日常的に行う大変重要な活動です。これまでも、オンラインで振動監視を行うシステムは既に販売されていて、工場でも幾つか導入している設備もありましたが、システム価格が高価であること、有線システムでは、電源や信号配線の工事費用が嵩むことから、コストパフォーマンスを考慮すると、最重要設備に少数しか導入ができないのが実状でした。
そこで、安価で、配線工事不要で容易に設置できる無線式で振動と温度を監視するシステムがあれば、工場にある数千から1万点以上の設備アイテムに取付数を増加することができて便利になると考えました。
当時、電子部品としてIC型の無線モジュールやマイコンチップは汎用品が非常に安価に入手できることを知り、これらを組合せて製作すれば、何かできるのではないかと考えて、開発を開始しました。
2012年に構想を決定し、横展開も見込めるかも知れないということで、当社グループのエンジニアリング会社である日本製紙ユニテックに声をかけ試作機を3台製作したのが最初。その後、フィールドテストを重ねながら使える感触を確認して、2015年10月に現在の量産モデルで1000台を製作しました。順調と言えば順調かも知れませんが、そもそも我々にはこのような開発経験が無いので、比較対象が無いのも事実。個人的には、もう少し早く進められたら良かったかなと思っています。
最も苦労した点は、センサ部分の開発部分です。少し専門的な話になってしまいますが、
当初は振動センサについて圧電素子を利用した自製品を使用していました。ところが、ロングランでのフィールドテストを行うと、温度依存によるセンサ電圧の変化があることが判明。温度計を備えているので、温度補償を行うことも検討しましたが、安価な圧電素子ではバラツキがあり、容易な解決は困難と断念しました。それで市販の振動センサを使用することを検討したのですが、市販の振動センサは1個数万円と高価であること、電源についても乾電池で使用できる機器が限られており、今回のコンセプトに合う物が見つかりませんでした。
それから、色々と情報収集を行った所、近年はIC型のワンチップセンサいわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が多く開発されていることを知り、加速度センサも高速、耐高温タイプが量産販売されており、これを組込み利用することとしました。しかし、加速度センサ出力は、静的(重力)加速度の影響を受けるため、必要とする機械振動(動的加速度)だけを抽出するように、マイコンで演算を行うよう工夫して実装しています。
その他には、無線通信の部分でも色々と検討を重ねています。当初は市販のIC型無線モジュールを利用していましたが、工場でテス
トを行うと到達距離が想定より短いことが課題でした。無線LANと同じ2.4GHz帯で国内無許可で使用可能な最大出力の10mWでも、思ったより到達距離が伸びず、壁の陰等では近くても減衰して通信が不安定になることが判明しました。2.4GHz帯は高速通信が可能ですが、パソコンの無線LAN等でも利用されており、他機器との干渉、空きチャネルの不足もあると考えられました。そこで、数年前に国内で使用認可され始めた920MHz帯のモジュールを利用することに設計変更しました。2.4GHz帯に比較すると低速ですが電波が伝わりやすいので、通信データ量を少なくすることで、速度と到達距離の課題を克服しています。
開発コンセプトとしての「簡易」「簡単」を表すため、Easyの「e」と、設備保全パトロールを無線を利用した機器で行うという意味合いで無線巡回。これらを合わせて、「e-無線巡回」という名称を付けました。
「e-無線巡回」は、元々自分たちの欲しいモノ、いわゆるユーザ目線で開発、製作を進めてきました。今後もそこの部分はぶれないように取り組んでいくべきだと考えています。これまで設置していく中で、ユーザニーズとして要望が多いのは、高温個所で測定をしたいという話を良く聞いています。紙パでは、抄紙機のドライヤパートといって、紙を乾燥させる工程で、蒸気を通した高温のロールが数多く設置されています。機械の温度も高いですが、周辺温度も高いので、パトロールするのも大変な設備です。現モデルでは、コスト面を考慮して実現していませんが、今後、オプションとして高温仕様のセンサを製作したいと考えています。
それから、最近多く耳にするIoTへの対応も考えていくべきと思いますし、様々なセンサを接続することで色々な用途へ活用できると思います。
「e-無線巡回」は、我々ユーザが必要最低限の機能に絞ってスリム化した製品です。診断や解析機能は、あれば便利かも知れませんが、実使用の現場では、システムだけで完結することは無く、結局最後は、担当者が現場に出向き、精密診断をして最終判断をすることになります。その部分を削ることで、コストを下げて多く設置した方が良いと考えています。もちろん、自動診断や解析が必要なところもあると思いますので、そういう設備にはそのような選択をすれば良いと考えます。要は適材適所で選択肢が拡がったと考えていただければと思います。
お試しセットは非常に安価に提供すると聞いています。とりあえず、実機で使用して、機能と実力を確認していただくと良いと思います。使えそうと判断されたら、同じエリア内なら親機はそのままで、子機だけを追加すれば良いので簡単に拡張できると思います。ぜひご検討下さい。
e-無線巡回基本ソフトには、現場の方が実務で使う十分な機能を盛り込んでいますが、更に機能を充実したソフトを別途ご用意しております。(オプション販売)
こちらは実務経験の浅い担当者や保全業務に精通していない方でもより直感的に理解しやすく、使いやすい仕様としています。
また、自動バックアップ機能も備えていますので、子機を20台以上設置する場合はこちらをおすすめします。
現場にあるアナログセンサーのデータを収集できます。流量計、電流計、圧力計などの4-20mA信号を無線で取り込み可能。
1台の子機に最大8点のアナログ入力が可能です。 【機種】 電流センサー付子機 熱電対入力基板付子機 アナログ入力基板 アナログ入力基板+DC電源 |
「e-無線巡回」のアラート情報をパトライトに出力できるソフトです。パソコンとUSB接続することで、
アラート発生時に表示灯やブザーでお知らせします。
専用ソフトで、どのアクションにどのシグナルを充てるか設定できます。 【対応機種】 パトライト社USB制御積層信号灯 R6-USB |
導入費用 | 約40万円~ |
親機 | ||
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電源 | AC 100-240V | |
無線通信※4 | 920MHz帯特定小電力無線(13チャンネル) | |
測定周期 | 1分、3分、5分、10分、15分、60分の選択制 | |
通信距離※1 | 屋内100m程度、屋外1km程度 | |
設置環境※3 | -10℃~60℃程度 | |
外形寸法 | 155.8mm×125.8mm×47mm(アンテナ部除く) | |
重量 | 250g(ACアダプタ含まず) | |
接続可能な子機最大数(親機1台につき) | 1分周期:16台、3分周期:48台、 10分周期:160台、 60分周期:960台 |
子機(センサBOX) | ||
---|---|---|
電源 | 単1アルカリ乾電池×2本 | |
無線通信※4 | 920MHz帯特定小電力無線 | |
電池交換周期 | 3分周期の測定で3年程度(子機設置環境にも依存) | |
設置環境※3 | 0℃~40℃程度、屋外防水仕様(IP67相当) | |
外形寸法 | 108mm×178mm×74mm | |
重量 | 650g(単1電池含む) | |
子機(センサ部) | ||
センサ | IC型温度センサ/MEMS IC型3軸加速度センサ 2ユニット | |
ケーブル | 5m(標準) 2本 | |
外形寸法 | 直径22mmφ×高さ30mm M5ネジ、ネオジムマグネット付 | |
設置環境※3 | -40℃~105℃程度 | |
子機(温度センサ部) | ||
測定範囲 | -40℃~105℃ | |
子機(加速度センサ部) | ||
周波数帯域 | X、Y軸 2.7KHz、Z軸 600Hz | |
測定範囲 | -16~16G | |
測定演算値 | Peak値、RMS値、クレストファクタ値 |
状態確認PC(推奨スペック) | |
---|---|
OS | Windows 10、8、7(32bit、64bit) |
メモリ | 4GB以上 |
HD空き容量 | 250GB以上 |
システム最大数 ※2 | |
親機 | 20台 |
子機 | 19,200台 | 最小機器構成/本体価格 |
親機1台・子機1台・基本ソフト | オープン価格 |
社名 |
住所 |
電話番号 |
サポートエリア |
エヌエスディ株式会社 | 愛知県名古屋市中区大須3-31-28 | 052-261-2331 | 全域(日本) |
トラスコ中山株式会社 | 東京都港区新橋四丁目28番1号 トラスコ フィオリートビル7F |
03-3433-9837 | 全域(日本) |
萬世電機株式会社 東京支店 | 東京都千代田区内神田1-17-9 TCUビル7F | 03-3219-1802 | 全域(日本) |
日泉化学株式会社 東京支店 | 東京都中央区日本橋本町3-4-7 新日本橋ビル6F | 03-3242-5825 | 全域(日本) |
日泉化学株式会社 大阪支店 | 大阪府大阪市中央区北浜2-5-23 小寺プラザ8F | 06-6227-1941 | 全域(日本) |
荏原商事株式会社 | 東京都中央区日本橋茅場町三丁目9番10号 茅場町ブロードスクエア5F |
03-5645-0155 | 全域(日本) |
日新明弘テック株式会社 大阪本社 | 大阪府吹田市豊津町11-36 | 06-6338-5311 | 全域(日本) |
日新明弘テック株式会社 東京支社 | 東京都台東区松が谷3-21-9 | 03-5827-1531 | 全域(日本) |
株式会社ライト | 東京都千代田区内神田1-12-14 | 03-5259-1711 | 関東(日本) |
株式会社マコト電気 東京営業所 | 東京都品川区東五反田5-22-37 | 03-6757-1290 | 関東(日本) |
マイサーボ株式会社 | 静岡県富士市伝法1484-9 | 0545-51-9700 | 静岡(日本) |
萬世電機株式会社 本社 | 大阪市福島区福島7-15-5 | 06-6454-4786 | 関西(日本) |
萬世電機株式会社 神戸支店 | 兵庫県神戸市兵庫区高松町2-3 | 078-682-1254 | 関西(日本) |
高松帝酸株式会社 | 香川県高松市朝日町5-14-1 | 087-822-5222 | 四国(日本) |
株式会社山産 広島支店 | 広島県広島市中区大手町二丁目4番1号 | 082-248-1281 | 中国(日本) |
船田産業株式会社 | 広島県呉市海岸2-13-3 | 0823-21-1321 | 中国(日本) |
株式会社守谷商会 宇部出張所 | 山口県宇部市松島町18-10 太陽生命宇部ビル 3階 | 0836-33-5551 | 中国(日本) |
合同会社ACTIVIO | 北海道江別市野幌東町3-1 | 011-398-9259 | 全域(タイ) |
※ ご購入はお近くの代理店にご相談ください。
A.920MHz帯は特定小電力無線の利用機器は未だ多くはないですが、今後増加する可能性があります。通信チャンネルを適切に設定することで、干渉せずに使用することができます。
A.親機には3分周期、30日分のデータを持つことができます。それ以上のデータが蓄積されると、古い方から順番に削除されます。
データは、外部ファイル(CSV形式)に保存することができますので、定期的に保存することをおすすめします。
なお、e-無線巡回オプションソフトには自動バックアップ機能があり、5年分のデータ蓄積が可能です。
A.単1アルカリ電池2本で、3分周期の場合でも3年の寿命となります。測定周期が長くなればそれだけ寿命も長くなります。
基本ソフトで、電池残量(電圧)の確認と残量が減ってきた場合のアラートを表示することができます。
ただし、電池は寒暖差など使用条件により上記寿命まで持たない場合もあります。
A.「速度」データは測定できません。JISの振動法でいう相対判定法となりますので、「加速度」の変化だけで、兆候を判断できます。
その後、精密診断を行い修理するかの判断が必要になります。(このシステムでは精密診断はできません。)